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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

『キル・ビル Vol.1』

izumino2003-11-01

 京都に帰郷中だった速水さんに誘われて観に行ってきました。ツレはHARD-WIREDさん。
 悪趣味だなあああ。何が悪趣味かっていうと、観た人間を「俺はこの映画をここまで楽しむことができるぜ」っていう、ナード自慢のチキンレースに誘うように作られているところ。要はマイノリティ向けのカルト映画だっていうことですが、特に唐沢俊一の日記とか読むと、「解って観てる人>>>>>>>知らないで観てる人」っていうスノッブ権威主義が丸出しで(そしてさりげなく、自分を権威側にカテゴライズさせるレトリック!)ハナにつきます。まぁつまり、そういう人達が楽しむ低俗な映画だっていうことです。それも、近年稀に見るくらいハイプロウなそれ。そんなのをハリウッドに流しちゃうタランティーノ。うーん悪趣味な映画だ。そしてタランティーノ本人はそんなことを全然考えちゃいなくて、好きで撮ってるだけだよ! っていう。

 ……のはまぁ、ただの前フリなんですが。
 やあ、面白かったですよ。前述したようなカルト映画的な楽しみ方もあるんでしょうけど、絵面的にも充分楽しめます。ユエン・ウーピン武術指導の殺陣も良かった。スタッフロールを確認すると、スタントマンの「中の人」は殆ど中国のスタントマンなんですね(役柄上は日本人)。マトリックスの殺陣がつまんないのはカット編集のセンスの無さもさることながら、やっぱスタントマンがヘタクソな白人だったからなんだなあと実感できました。ユマ・サーマンの殺陣のヘタッピさをキアヌのヘタッピさと同列に並べた感想もありましたが、いやいや、主役がヘタッピでもヤラレ役がプロなら格好良く見えるものです。
 はい、もうお解りですね。「マトリックスの殺陣は格好悪い」と思ってるぼくはスノッブ=低俗です。