現実ベースの格闘技と漫画的なビジュアルの融合/馬場康誌『空手小公子物語』1巻
更新が止まりすぎていたので、今月のコミックスのレビューを一本やっておきます。
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50巻続いて完結した『空手小公子 小日向海流』の、主人公を変えた続編です。
もともと格闘技漫画が好きなので、連載時から期待しながら読んでいたんですが、今月1巻が発売されたので紹介します。
世界は前作と同じですし、キャラクターも一部継続しているものの、新しい主人公に「対戦相手の思い込んでいる自己像」を視覚化できる、という能力を与えているため、漫画的な「比喩」の面白味が増している、というのが大きな違いでしょう。
特殊能力というより、見えないモノを視る「芸術家の才能」の延長のようなもので、似たところとしては『ホムンクルス』のトラウマ視覚化描写に近いですね。
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やっていることは現実的な空手の試合(しかも高校生レベルの)なんですが、ビジュアル的には『聖闘士星矢』や『ジョジョの奇妙の冒険』のような少年漫画のノリを持ち込んでいける可能性もあって楽しみにしています。
あと、個人的には前作のキャラの中で赤峰梨夏が好みだったんですけど、彼女がこの続編でも継続レギュラーで出ているのがちょっと嬉しいポイントでした。
- 試し読みあり:空手小公子物語