『マンガルカ』のマンガ工学論と『みかこさん』
アニメルカ公式ブログ 【委託情報】『マンガルカ vol.1』『背景から考える』
冬コミでぼくも寄稿していたマンガ批評の同人誌、『マンガルカ』の書店委託がはじまっています。
COMIC ZIN、とらのあな、タコシェ、メロンブックス、まんだらけなどの各店舗でお確かめください。
本そのものの内容紹介は以下に。
『みかこさん』とコミックビューワーの関係
ぼく自身は《人気漫画から学ぶ「漫画のうまさ」と「漫画とは何か」》というタイトルで、漫画をメディアとして考えた場合の工学論を提示しています。
中身の半分は、『漫画をめくる冒険』の軽い要約のようなかたちにもなっていますので、漫画論の入門としても適しているんじゃないでしょうか。
(※ちなみに「漫画工学」という用語は、以前竹熊健太郎先生が提唱したフレーズを借りるかたちで用いていました。)
その中でも、「電子コミックビューワーの工学」と題したセクションで、「縦スクロールのコミックビューワー」と「横スライドのコミックビューワー」の違いについて論じていました。
縦スクロール式というのは、今日マチ子さんの『みかこさん』(モーニング公式サイト)や、最前線コミックス(星海社)が使用しているようなコミックビューワー。
横スライド式というのが、Jコミで使用されているようなコミックビューワーです。
それで、自分の原稿をあげた直後に知ったのですが、ちょうど論の内容と符号するような、興味深いコメントを今日マチ子さん本人がされていたんですね。
『マンガルカ』と合わせて、以下のインタビュー記事を参照すると面白いかもしれません。
連載がアナログの雑誌である『週刊モーニング』から、デジタルのWebに移動してからのコマ割りの変化、について言及されています。
変わったというか、描きながら学んでいるという感じですね。重力の働きとか。
──重力?
ウェブだと下にスクロールしていくので、重力が下に下に働いているんです。すると上の方に密度の高いコマを置いて、下の方を軽くしたりする遊びもできるんですけど、週刊誌だとめくっていくので、ウェブと違って横に行く力があるので、それで構図やコマ割りを変えたりしていますね。
今日マチ子「みかこさん」 - コミックナタリー 特集・インタビュー
「ウェブと違って横に行く力があるので」──。
この言葉をキーワードにして、『マンガルカ』の原稿を読んでいただけると発見が増えるかもしれません。
ではでは、よろしくお願いいたします。
あ、『みかこさん』はスゴイ好きな漫画のひとつなので、ゼヒ『みかこさん』も読みましょうね!
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