今週のデータベース更新(おまけ付き)
『School Rumble』における反復・対比・暗示のリスト の更新
本誌の今週分(♯243)を更新してあります。
今週は、反復構造自体が少ないという理由もありますが、特記することも無く、現状確認(おさらい)に留めています。
ちなみに、あくまでこのデータベースは「反復対比のリスト」を作るのが主目的なのであって、ストーリー解説が目的ではありませんのであしからず……。*1
また、ウチのスクランに対する基本スタンスである「スクランは一話だけ読んで何かがわかる漫画ではない」という考え方については、以前にも書いた以下の記事をご参考にどうぞ。*2
おまけという感じですが、リストだけでは物足りないという方の為に漫研チャットにおけるエイブさんとの会話ログから一部抜粋。
エイブ >> 今週のスクランですが・・・だめだ、濃すぎて自分の中の読み方に迷いが生じてしまう
エイブ >> 八雲の心情がようやく出てきたわけですが、結局八雲は播磨とどうなりたいのでしょうか?
エイブ >> 八雲の言う「ひとつの気持ち」はストレートに読めば播磨への恋心なわけですが、そうするとそこまで大きくなった気持ちを沢近に譲るつもりでいる?
エイブ >> 八雲の心情が今ひとつ掴みきれていません、おそらく沢近に譲った結論と今回の八雲の心が繋がらないからだと思います。これも八雲の常識はずれの恋愛音痴が成せることなんでしょうか?
いずみの >> 播磨とどうなりたい、っていうのは今週は棚に置いていいと思うんですが。次週から出てくるかもしれませんけど
いずみの >> 基本的に八雲は自分のことをあまり考えない性格だと思います。自分以外のことが先なんじゃないかと
エイブ >> なるほど、確かに今週八雲自身のことにはあまり触れてないですね。
いずみの >> 自身のことに触れたのは「どうなってしまうんだろう」だけですね。これと「ひとつの気持ち」はダイレクトに繋がってないと思います(繋げると不具合が起きる)
エイブ >> でも目の前で播磨が天満に告白した場合どうなってしまうかわからない感情は、沢近に譲ったとしても同様の結果を招くだけだと思うんですが・・・やはり今週だけでは並の読者では読み取ることは無理でしょうか
いずみの >> もともと沢近にゆずったのも、問題を先送りにしてるだけですからね
エイブ >> 結局は沢近へ譲ることも逃げにしかならない・・・かな?
いずみの >> 玉突き事故みたいに自分→天満→沢近とゆずり(先送りし)続けてきたわけですけど、天満だろうが沢近だろうがショックは免れないわけで
エイブ >> ああそうか、結局最後は自分自身で向き合うしかないわけですね。で、今回がまさに強制的に向き合わざるをえない立場に立たされてしまった・・・というわけか
いずみの >> 問題を沢近に先送りしたということは、ストーリー的に次は沢近播磨のジレンマが発生するかと思いきや、それより先に根元にある天満播磨のジレンマが勃発してしまったと。本人も戸惑ってる感じなんじゃないでしょうか
エイブ >> 八雲自身の恋心への戸惑いではないといずみのさんは見ているんですか?
いずみの >> 付け加えるなら、「どうなってしまうんだろう」はそんな単純なジレンマじゃないですよね。「沢近にゆずろうとしたのはやっぱりムリがあったんだろうか」とか、背負ってる感情が多くて複雑だと思いますよ。
いずみの >> 沢近にゆずったはいいけど、播磨と沢近がうまくいくかどうかの確証なんて八雲には無いわけで、沢近に譲ったことが裏目に出るかもしれない。そもそも播磨の気持ちはどうなる? とか。
エイブ >> どっちにしてもめんどくさい娘だなぁ八雲は(笑)。恋という結論にたどり着くためのどれだけ遠回りすればいいんだろうか
エイブ >> まぁその八雲がもう自分自身の恋心を露にするのか? という疑問もあったので焦点が定まらなかったわけですが、沢近への感情を考えるとだんだん焦点が定まってきましたね・・・
いずみの >> 八雲視点の物語として見れば、ひたすら恋から逃げ出そうとした挙げ句に手錠で繋げられちゃったという話として読めると思います。
エイブ >> なるほど、結局恋からは逃げられないという状況を漫画的に手錠であらわしたともとれますね。
ついでに、ぼくの基本スタンスの提示をもうひとつ。「次回の予想をしない」「ヒキを深く考えない」ということです。おおまかな想像はしますが、作り手側からするとミスリーディングとストレートを使い分けることでいくらでも読者を翻弄できる部分ですから、考えても無駄な部分ですよね。
単行本で読んでいるのと近い気分で読むことがポイントで、「(もし単行本なら)ページをめくればすぐ次の話が載っているんだから、今回と次回の間の思考時間は殆どゼロ」という前提で一週間待つことにしています。
以前も書きましたが、18ページの漫画が二回に分けて掲載されている感覚で読むんだから、ヒキで深く考え込まないのは当然でしょう。その代わりに、1ページごとの読み込みと、第一話から最新話までに至る統合的な照らし合わせは集中的かつ徹底的にやるわけです。
……と真面目くさって書いてますが、実際にやることはマガジンを開いてぼーっと眺めるだけだったりしますが。あとは自然と頭に浮かんでくることを整理して、リスト化して更新する作業がちょっと大変なだけで。