小林尽『School Rumble』13巻
スクランの12,13巻相当の連載分は、≪スクラン考3≫の執筆中に読み返しまくっていた部分なので、単行本になったものをペラペラめくってるだけでもジワリとこみあげてくるものがあります。
特にスクラン考3の後半は、ぼく自身の人間観が良く出たものになっていて、だから「スクランはこういう話だ」というよりも「俺にはこう読める」という性質の内容だということは読めば解るんですが……ここで一応断っておきましょう。
でも、そういう読み方のできた作品ほど思い入れが強くなってく傾向はあるでしょうね。
School Rumble Vol.13 (13) | |
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しかし播磨が天満に漫画を読ませた直後からの流れは、何度読んでも、何度読んでも謎だなあ。
ここまで「計算されてない描写」というのもなかなか読む機会が無いんじゃないかとびっくりする程。どう見ても「時間も無いしアイディアも湧かないし、もうこれでいっちゃえ」っていう「やっちゃった演出」なんですが、ギリギリで綱渡りを成立させている小林尽のセンスもさることながら、これを通しちゃった編集者も大概だと思います(編集が余計な修正を入れたからこうなったという可能性もありますが)。
漫画としては(特にメジャー誌作品としては)、ぶっちゃけ誉められた出来じゃないと思うんですが、凄いことは凄い。「解釈不能」な分、読み返してて飽きないのは確かですし。