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ジーン・シノダ・ボーレン著/湯浅泰雄監訳『タオ心理学―ユングの共時性と自己性』(ISBN:4393366069)

izumino2004-02-17

 読みやすく柔らかい文体で、ユング心理学(元型論・共時性論)と易学・道教の接点を与えてくれる良書。ここからユング心理学やタオイズムに入門してもいいでしょうし、双方を学んだ人がこの本で両者を繋げることも有意義だと思います。
 ただ前半の、共時性シンクロニシティ)と道(タオ)をユング派の視点で結びつけるくだりは面白いのですが、章が進むにつれて著者の信仰告白めいたエピソードや超心理学的なアプローチが多くなるので、後半は(著者の考え方に共感できるようになる頃までは)話半分に読んでおいた方がいいかもしれません。


 易が、積極的にシンクロニシティを感じるための試みだという説は興味深かったです。今まであまり大きな関心は無かったんですけど、『易経』を手元に置きたくなってきたな。