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森奈津子『お嬢様ボロもうけ』

izumino2004-01-18

 「お嬢さまシリーズ」全10巻の5巻目。この時点での舞台は(共学の)中学校で、主人公・綾小路麗花は中学三年生。


 これは読んでて凄く楽しかった。
 マリみてのような「大人のノスタルジー精神」ではなくて、純粋に「子供が楽しんで読むもの」として学校生活が描かれているから、また違った回帰作用を味わえるというか。……まぁ、ぼくは学研レモン文庫自体に詳しくないので、こういう比べ方になってしまいますが。*1
 この巻のテーマは「時代劇」とあからさまな「金儲け」(具体的には“20万円”を短期間で稼ぐ)なんですが、その「金儲け」の手段が中学生の考えることにしては頼もしくて微笑ましいし、アンフェアな方向に走れば挫折を経験して、その後拭いもちゃんとこなして、教訓を得る……と、綺麗な成長物語になってます。パワーがあって面白い。うん、面白いですよ。これを読むことは財産だなあ、とまで言ってしまおう。そのくらい面白かった。
 佐伯、アクタガワ、お杉、工藤といったサブキャラも魅力的です。佐伯とアクタガワなんか、今読んでも萌えられますよ。


 ちなみに絶版ですが、「復刊ドットコム」での投票が規定数に達している模様。*2
http://www.fukkan.com/group/?no=1086
 森奈津子復刊特集ページ

*1:だから多分、他のレモン文庫作品を読んでも同じ感想を漏らすと思う。次は折原みとを読んでみたい

*2:新装版になるとしたら、イラストはどーなんのかな