野尻抱介『私と月につきあって』(ISBN:4829128968)
『天使は結果オーライ』(id:izumino:20040102#p1)の続編です。
同じテーマのパターンでまだ書けるのかな……とあまり期待せずに読んだんですが、これがなかなかのものでした。個人的には『天使は結果オーライ』より好きです。*1
今回は、ヒロインのゆかりとゲストキャラのソランジュの関係が面白いです。*2むうにいさんの絵も好き。
例によって致命的なトラブルがこれでもか、と発生しまくるんですが、解決の糸口を掴んでいくくだりはやはり唸らされます。こういう荒唐無稽ができるのはヤングアダルト小説ならではですね。精神的には科学的なロマン溢れるドラマなんですけど。
読了後、是非もなく宇宙開発を支持したくなるプロパガンダ小説でもあります。
あぁあと、ストーリー中盤からの展開が、タイトル通り「私と月につきあって」というシチュエーションに変化していく所はうまい! と思いました。
気付くと、野尻さんの小説は全部読んでしまっていました(『ドラゴンマガジン』に載った短編も読んでる)。これで新作待ち状態に……。