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すえのぶけいこ『ライフ』5巻(ISBN:4063413632)

 うええええええ。吐きそうになる。悪い意味ではないんですが。
 何が読んでて苦しいかというと、主人公が「逃げ出してしまわない」所か。凄いなあ。こんな状況に主人公を置いても、作者の視点は上向かいにあるんだな*1。逃げてもいいはずだよこんな状況! 大人はそう思うだろうしぼくもそう思うのだけど、すえのぶけいこはそうはさせないんだろう。
 きっと、5巻のアユムは明らかに強い。でも強いことと傷付かないことは必ずしも同義ではなくて、あくまで等身大の女子高生として描かれる彼女はその強さと普通さのバランスが際どく表現されている*2だけに、これからの境遇を考えるととても痛々しい。


 割と底の浅い感想を書いてしまった気もしますけど、まぁ、いいか。そういえば、アユムの行動原理って酷くレヴィナス的ですね。最初マナミを傷付けられなかった所とか。

*1:表紙やカットの強いポーズからその志向が窺える

*2:漫画の技術的には、この表現力が高く評価されると思います