魔法科高校世界の戦略級魔法(文庫8巻バレ抜き感想)
昨日、佐島勤『魔法科高校の劣等生』の8巻が発売されました。
上下巻の分冊ではなく、単巻で成立しているのは5巻の短編集以来ですね。
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Web版既読者からすると、ようやく作品がかたちになるレベルまで話が進んだという感覚です。
が、やはり「世界観が広がって、キャラクターの魅力の背景も深まる」このエピソードはもっと前に持ってくるべきだと感じます(商業レベルの商品的な意味でも)。
いっそのこと、5巻まで読んだ読者にはこの8巻を買うことを薦めた方が、深いところまで入り込みやすいと思うくらいです。
ある程度キャラクターの行動原理や背景が示されてるとその人の視点で読みやすくなると思っていて。例えば『魔法科高校の劣等生』は4章を2・3章の前に読むといいという話があったけど、あれも司波兄妹の過去が明かされて二人(特に深雪さん)の視点で読みやすくなるというのが大きいんじゃないかと。
— 水星 (@mercury_c) 2011, 8月 17
- 世界観にしてもそうで、三章(6,7巻)をそのまま読んだら「何故いきなり戦争になるの?」と疑問に思われること確実なのに、「四章を読めば状況が戦時中だってわかるよ」とフォローせざるをえないのも、やっぱり回りくどさのある順番だなと
ところで、過去編のさらに過去を描いた書き下ろし(というより「未公開原稿」と呼んだ方が近いようですが)の短編「アンタッチャブル」が非常に暴力的かつ残酷で、作者が目指す「現代のジュブナイルSF」というテイストが、ある意味では最も良く表れたエピソードになっているかもしれません。
学園モノという枠の中では描けなかった、ちょっとした「作者の本気」が、垣間見える短編でしたね。
(※ちなみに「最近のライトノベルはグロテクスさが薄くて……」みたいな先入観を語るつもりではありません。例えば近作では『マグダラで眠れ』1巻もグロテクスな雰囲気の表現が印象的でしたし。)
十三使徒の戦略級魔法
さて本題ですけど、以前、SF小説としての魔法科の面白さのひとつは、漫画で例えるなら『スプリガン』あたりに近い、という話をしたことがあります。
#mahouka 魔法科のアクション漫画的な面白さって、小難しいことはどうでもよくて『スプリガン』(1989年)だと思うんですよね。御神苗(達也)がいて朧(九のつく人達)がいてスプリガン級のエージェントがごろごろいる世界。
— 泉信行/いずみの (@izumino) 2011, 5月 27
そんな「超S級のエージェントがごろごろいる世界」の魅力の中心になるのが、戦略級魔法師「十三使徒」の存在なのですが、この8巻のカラー口絵でその氏名・所属国・魔法名のみが公開されました。
Web版読者にとっても、今まで思わせぶりに伏せられていただけなのが、一気に名前が出てきたことでびっくりしました。
早速、それぞれの効果について推測したくなったのですが、文庫を購入した人だけが理解できるよう、名称には触れず、掲載順のナンバーで言及しましょう。
- 11巻?で登場予定のアレ
- 海を象徴する単語なので、津波か大渦巻?
- 2に同じ
- 意訳すると水蒸気爆発?
- 直訳すると「大地軍隊」で、どんな現象なのかは?
- 絶縁性操作+落雷(Web時代に解説あり)
- 火を意味する単語と、「冷えて重たくなった空気の下降」を表すはずの単語の組み合わせなのでよく解らない
- この巻で解説済み
- 核融合? 原理は不明*1
- 酸素分子のオゾン化(Web時代に解説あり)
- 10に同じ
- 2の魔法名と対にできる単語。海と対で、陸の象徴だとしたら地震? ただ、イスラム圏では海の象徴と混同されているようなので、「陸の要素を含んだ海」という意味ではこちらが「津波」で2が大渦巻かも?
- 7に同じ
こうしてみると、5番と7番が激しく謎。2と12の予想はいいとこいってそうですけど。
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- こちらはネタバレあり感想:魔法科高校の劣等生 8巻 感想 しおにっきγ