「この小説のコミカライズの第1話が面白かった」二件
『戦闘破壊学園ダンゲロス』(横田卓馬、『月刊ヤングマガジン』連載)
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架神恭介さんの小説『戦闘破壊学園ダンゲロス』のコミカライズが『月刊ヤングマガジン』誌上ではじまっているのですが、これがなかなかテンション高くて面白かったです。
それもそのはず、作者は以前もこのブログで紹介したこともある新人漫画家、横田卓馬さん。
ちょっと前、ジャンプ本誌に読み切りを掲載したこともある実力のある人ですね。
異能バトル小説としての「ダンゲロス」の能力者設定は、「中二病の妄想が具現化される能力」と説明することが可能ですが(参考→Wiki)、
日頃から妄想ばかりしている人や、目立ちたがり屋、「オレは他のヤツラとは違う特別な人間なんだ」と思い込んでいる人などが魔人になりやすく、幼児期や少年期、特に中学二年生頃は魔人覚醒の可能性が高くなります。
戦闘破壊学園ダンゲロスwiki - 魔人とは
……中二というか、性欲と青春のわだかまりと破壊衝動が煮えくりかえった学生時代の精神にフィットする題材という意味では、『痴漢男』や『オナニーマスター黒沢』を描いていた人がダンゲロスを描くことになったというのは凄く頷ける話だなーと、読後の納得度が非常に高かったです。
『魔法科高校の劣等生』(構成:林ふみの、作画:きたうみつな、『月刊Gファンタジー』連載)
そして、先日のUstでも取り上げましたが、『魔法科高校の劣等生』のコミカライズは原作既読者には楽しみな連載です。
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小説のノベライズというと、「地の文をナレーションとして漫画でも表現するか否か」という選択があるわけですが、これらの二作はどちらも「ナレーションを表現として取り込む(活かす)」方向で作られています。
特に『ダンゲロス』の第一話は、ナレーションの活かし方による面白さでテンションを上げているところが大きかったですね。
視覚的なメディアである漫画だからといって、「地の文の表現」を排除しないといけないわけではありません。
ナレーションが面白い漫画というと、最近だと『HUNTERXHUNTER』、『ハチワンダイバー』、そしてやはり小説原作の『シグルイ』などが思い浮かびます。
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こうした「ナレーションが面白い漫画」の読み味が好きな人にとって、「小説原作のコミカライズ作品」というのは、また限定された「漫画の面白さ」を提供してくれるジャンルなのかもしれません。