避けられない〈終わり〉を描いた『まおゆう魔王勇者』から、迎えられない〈終わり〉を描く『ログ・ホライズン』へ
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「オンラインRPG」のメタ創作、ログホラ
『ログ・ホライズン』1巻のタイトルロゴには、読みにくいですが作中ゲームであるオンラインRPG『エルダーテイル』の英文キャッチコピーが記されています。
(『エルダーテイル』は国際的に流行しているゲームという設定で、サーバーごとに各国語の運営が為されていることになっている。)
Fragrant green winds blow across this new, yet somehow old land. The imaginary world of Theldesia is home to dragons and giants, monsters and demihumans. With a burden weighing upon your soul, go forth, O winged one 〈Adventure〉!This land spreads out before you like a blank page; make your in it!
p4-5の見開きによると、日本語版ではこんなキャッチコピーになっているようです。
その自重を支える魂の翼持つ〈冒険者〉よ、
竜と巨人が、魔獣と亜人が住まう、幻想の世界セルデシア。
緑の風が薫る、ここは新しく、また旧い大地。
開かれた白いページのようなこの大地に己の生を刻み込め。
「blank page; make your in it!」がいいですね。
「白紙のページの続きを記録するのは君たちだ!」みたいなメッセージなんでしょう。
作者のままれさんにとっては、「終わりを避けられない和製RPG」のメタ創作であった『まおゆう魔王勇者』から、「終わりを迎えられないオンラインRPG」のメタ創作へと転換したというのは、作家としてのテーマが連続しつつ、「前とは違うこと」への挑戦をしてるんだなと改めて感じさせられます。
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その『まおゆう』も、Webでは完結しているとはいえまだ書籍版が刊行中。4月末は3巻が発売されます。
書籍版から「橙乃ままれ」の世界に入った人は、同時進行でこのふたつの創作を読み比べる体験ができるわけですね。
フェス用の特典ペーパーでも、ままれさん本人がこう書かれています。(ペーパー自体はフェスの中止により未配布)
どうもぼくはエンディングに興味のある人間のようです。
『まおゆう』を書く以前、考えていたのは「ハッピーエンドってなんだろう? もしくはバッドエンドってなんだろう?」ということでした。(中略)
エンディングの敵は“終わらないこと”です。
mamare.net/img/ebfes_log.pdf
終わらない、生きていかなければならない、続いていく──しかも動機も目標も曖昧なこの世界の中で“正しいエンディング”を目指して進むことは非常に困難なことです。
『ログ・ホライズン』はそこから始まりました。
人が死なない世界で、つまり“わかりやすい決着”がなかなか手に入らない世界で、それでも悪戦苦闘する話。それが最初の『ログ・ホライズン』です。
おそらくこれから、ログホラと頻繁に比較されるであろう『ソードアート・オンライン』と異にするのは、この「人が死なない世界で」という部分なのでしょう。
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- ゲーム中の死=リアルの死、というコンセプトでオンラインゲームの世界を描く『ソードアート・オンライン』
ログホラアイテム募集企画
ところでログホラ1巻の巻末には「ログ・ホライズンは読者とともにつくっていきます!」と書かれているのですが、まず自由な二次創作を許容しているだけでなく、登場キャラのアイテム公募という企画が催されたりしています。
で、自分の話になってしまいますが、izumino名義の応募で1巻のアイテムに採用されてしまいましたよ!
具体的には、アカツキの武器がそうですよ。うわあ。
単行本のあとがきにも名前が載ってる……! しかも記念に献本までいただけたり。
だからみんなも、3巻以降のアイテム募集には応募しようぜ!っていうことですね。
1巻のアイテム募集時は参加者もまだ少なかったそうですし、まだ狙い目かもしれませんよ。