HOME : リクィド・ファイア
 移行後のはてなブログ:izumino’s note

「劇場版」の面白さはだいたい四つに分けられる

 なのは劇場版や、Fate劇場版の感想がTwitterのタイムラインなどから漏れ聞こえてくるのですが、ぼくはまだ観ていません。
 どうも賛否両論で、賛の側の意見にしても「条件付きでの面白さ」を掲げている人が多いですね。
 つまり、観客が原作の本編を知ってるかどうか、どう脳内補完できるか、によって「映画としての体験」が大きく変わるのだ……、ということが言われているのだと思います。


 さて、ここから先は一般論の話。
 思えば、劇場版の「完成度」には四段階のレベルがあると言えるでしょう。

  1. 「それ単体で映画になっている」
  2. 「それ単体で映画になりつつ、本編を知っていればより感動できる」
  3. 「あまり映画になってないが、本編の脳内補完で感動できる」
  4. 「映画になっていないので、本編を知っていても感動できない」


 こういう差が生じるのは、スタッフの努力によるもの以外にも、原作の「向き不向き」もあるのでしょうけど。


 ぼくの感覚で言うと、『トップをねらえ!』の合体劇場版の場合……、無印の方は「1」で、トップ2は「4よりの3」といった作りだったと思います。
 元となる本編の「密度」や「難解さ」が異なるので、こんな差が出てくるのだという一例ですね。

トップをねらえ! & トップをねらえ2!合体劇場版!! Blu-ray Disc BOX (初回限定生産)トップをねらえ! & トップをねらえ2!合体劇場版!! Blu-ray Disc BOX (初回限定生産)

バンダイビジュアル 2008-11-21
売り上げランキング : 4258

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 なのはやFateはこの分け方でいくと、どうなんでしょうね。好奇心で確かめに行きたい気もします。


 ちなみにトップ2の脚本家である榎戸洋司は、合体劇場版の舞台挨拶で「もう××××*1の悪口は言いません」という自虐ネタを披露していたくらいですから、「総集編」的に作る劇場版というのは、そもそも原理的に難しい所業みたいです。

見なくてもいい『Fate劇場版』。みてほしい『なのは劇場版』: 趣味を生きる。

最初のセイバー登場までの省略といい。キャラの説明のされなさといい。さまざまなものが『不十分』で、それでいて、(最低限)『十分』です。『単品』としては破たんしていても、『全体』の流れの中では破たんしていません。

*1:好きな劇場版アニメのタイトルを入れよう