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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

「最強よりも最強殺しの方が強いんですよ」幸村のテニスについて

 盛り上がりに盛り上がるテニプリの「幸村vsリョーマ」戦。
 ほうぼうのコメント欄に書き込んでみた私見をここにまとめてみます。


(コメントは適宜に読みやすく修正してあります。)

リンドウさんの日記のコメ欄

 ちょっと思ったんですが、幸村のテニスが「相手にテニスをさせないテニス」(テニス技は全部「意味なし番長」*1的に無効化していき、最後にはイップスでテニスできなくする)だとすれば、越前親子のテニスは「相手とテニスをするテニス」なのかもしれないですね(無効化とかせずに真っ向勝負で乗り越える、テニスを楽しむ)。
 回想シーンによると幸村は「テニスを嫌いになった過去」があったみたいですし、綺麗に対比させているのかもしれません。そう思うと、真田にとって感情的に応援したいのは越前の方なのかもしれませんね。

某氏のmixi日記のコメ欄

(幸村自身は特別なパワーを使っておらず、「普通のプレイがすごすぎるので相手が勝手に圧倒されて麻痺する」ということか? という感想に対するコメントとして。 )

 個人的な読みでは、幸村は幸村で天衣無縫に近いことをしてるんじゃないかと。


 とりあえず幸村は試合中ずっと瞳がガラスのように澄んでいる描写をされているので、越前父の言っていた「見えるものにとらわれない」天衣無縫の状態が発動してる可能性を考えてみると、「どんな球でも(滝から落ちてくる丸太とかでも)正確な返し方がわかる」=なんでも返せるようになる、ということなんでしょう。


 知覚の情報量で圧倒的優位に立っているからこそ、対戦相手の知覚が削られていく――例えば、「幸村に見えているもの」が「自分には全く見えない」という状態でラリーを続けていると、自分の知覚しているものが信じられなくなっていって、身体が知覚を強制的に遮断してしまう?――ってのはなんとなく繋がってくるような。


 で、この超知覚が生む「天衣無縫テニス」を破るには、やはり天衣無縫による超知覚に目覚めるしかないってことなんでしょうけど。
 『昴』のすばるとプリシラが「ゾーン*2による超人バレエ」をそれぞれ別の技として発現させたのと同じで、リョーマも「天衣無縫によるテニス」を幸村とは別の形で発現させて勝つ、とかだとアツイですね(笑)。


 まぁ、単に夢想転生状態*3になるだけでもいいんですが。
 でも「幸村の天衣無縫テニス」が「天衣無縫で破れる技」だとすれば、それに対する、まだ編み出されていない(これから対幸村用に作り出される)「リョーマの天衣無縫テニス」は「天衣無縫で破れない技」として登場させられるわけですし。

 このコメントに対して、「リョーマが単純な学習型じゃなくてアレンジャーであることを強調したばかりですし」というレスをいただきました。
 そう、後出し有利とは言え、「天衣無縫」という同一リソースから作り出された技がですね、「天衣無縫を使えない選手を倒すために作られた技」なのか、それとも「天衣無縫を使えるやつを含めて倒すために作られた技」なのか……という違いで勝負が決まるとしたら燃えるんです。


 架神さんと遊んだ「テニスの王子様ゲーム」の最終戦で、どう考えても最強にしか思えない技だった「しゃりんがん(改)」を、「天啓(ザ・オラクル)」が一点のウィークポイントを突いて乗り越えた瞬間を思い出します。
 「最強」よりも「最強殺し」の方が強いんですよ。
 

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*1:サルでも描けるまんが教室』の作中漫画「とんち番長」のラスボスで、いかに不可能なとんちであろうと身も蓋も無いストレートなやり方で解くことができる能力を持つ最強存在

*2:これも「超知覚を得る能力」である

*3:北斗の拳』において、ケンシロウラオウが同時に「相手の技を無力化してしまう究極奥義」である夢想転生を使用し、結局「ただの殴り合い」になってしまう状態を指す。パワーインフレによる軍拡競争が辿り着く極致のひとつ