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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

少年漫画話

少年漫画マインドと成長

 少年漫画マインドで描かれる主人公は、「成長」はするが「変化」はしない。
 オタク向けの燃えで描かれる主人公は、「成長」ではなく「変化」でパワーアップする。


 まだ仮説段階ですが。今度、友達の意見を訊いてみます。
 「少年誌的/青年誌的/オタク誌的」の区分を見分ける一定の目安にはなりそうな感じではあるかな。

少年漫画とラブコメ

 ネギまスクランなんかのラブコメは少年漫画だ(≒少年漫画でなければならい)、というのがまぁウチのサイトの主旨であるわけですが、これは「少年漫画=立派」というステータスや、権威主義で言ってるわけじゃないんですよね。
 <AI止ま編>の最初にも書いているように、ジャンプ的なバトルがあれば少年漫画だというのは大きな間違いですし、どれだけくだらなかろうがマニア臭かろうが萌え臭かろうが、それがギャグ漫画でもラブコメ漫画でもウンチク漫画でも少年誌に載っていればそれは少年漫画ですし、その中で「王道の少年漫画」や「変化球の少年漫画」、「それだけを読めば十分な漫画」や「そればっかり読むってのも不健全じゃないかなぁな漫画」が存在するのだと思います。


 赤松健自身は「ラブコメはデザート」と公言しているわけですが、マガジンの中で言えば、まともな「食事」になりそうなのはやはり一歩やゴッ輝、トッキューあたりの作品であって、それらに対してラブコメ漫画は結局「デザート的な少年漫画」でしかないと思われます。
 言ってみれば『ラブひな』はプリンみたいに甘々の少年漫画であって、次第に少年漫画のラインから外れていきもしました。逆に『魔法先生ネギま!』の場合は王道寄りに修正することで「デザート」から「食事」へと近づきはするのですが、根っこがラブコメ漫画であることは変わりませんから、せいぜいプリンが菓子パンになったくらいの違いでしかないでしょう。
 菓子パンだけで食事をとりあえず済ませることも可能ですけど、お菓子はお菓子ですよ、という。
 この喩えで言えば、スクランもデザート中のデザートですね。


 うっかり「○○はちゃんと少年漫画してますよ」とか言ってしまう前に、こういう仕組みに注意する必要があるでしょう。少年誌に載っている以上、「ちゃんと少年漫画してる」のは最低限のハードルであって*1、問題となるのは「どう少年漫画してるか」の方だろうので。

  • 追記

 あとそうそう、赤松ワールドの「イヤなことが起こらない」という理念自体が、少年漫画としては既に「歪み」ですしね。

*1:たまにビミョーな立ち位置の連載もありますが。ジャンプのいちごとか