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おかざき真里『セックスのあと男の子の汗はハチミツのにおいがする』更におまけ

 巻末短編の「アイスティー」は「女教師」と「男子生徒」の話であって、女同士の関係を中心に描いているこの本の中では異彩を放っているとも言える。
 あらすじとしては、女の先生の部屋になぜかお邪魔することになってしまった少年の集団が、洗濯物の下着を目撃したり、わきチラなんかを見せられたりした上に、うっかり「先生、こないだ失恋しちゃってさあ」なんていうパドック情報を聞かされてしまい、自分達の未成熟さを思い知らされ縮こまってしまう、というシチュエーションの話。 
 ところで、この先生の失恋相手が「男」であるとはどこにも書かれていない。「失恋した」という断片的な事実が言及されているだけで、そして男子生徒達じゃあ恋愛対象にならないよ、ということが強調されるのみである。
 この作品集の中に収録されているということは、ひょっとしてこれも「百合作品」として読んでもいいんじゃないかなあと、ふと思ってしまった。