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『ふたりはプリキュア』第18話「ドキドキ!中間テストは恋の迷宮」

 なんだこの面白さは! というわけで大絶賛します。
 脚本がシリーズ構成の川崎良本人なんですが、これはかなり練られた脚本なのではないかと感じました。とてもプリキュアという作品を表すことに成功していた筈です。


 まずアヴァンタイトルでのドツクゾーンの描写。ここでようやく敵サイドの目的が一本化して説明されましたね。今までよくわかんなかったもんなぁ。それによって、キリヤの優柔不断な立場も明確化されると(ここらへん、特に理由も無く仲間と不仲だったピーサードとは対照的)。
 前回から引っ張る形でのほのかの描き方もうまい。ほのかは自分がなぎさに対して行ったこと、なぎさから得たことを周囲の人達にも広げようと努力しているのですが、ここでも相変わらずの一人上手にハマってしまって現実の壁に直面してしまうと。しかしそれでもキリヤに想いは届いていたんだと(このパターンは第10話を反復強化している)。
 これは以前にも指摘したことですが、友情関係がプリキュアのふたりだけで閉じてはいけないわけで、こういう他者への方向性が描かれるのは好感が持てますね。
 演出面では所々80年代アニメを思い出させるような古典的演出(なぎさのギャグシーンやバトルの導入あたり)が印象的でしたが、プリキュアって作品はそれでいいんですよ。「古いもの」が強い力を持っているということは最近でも今川版『鉄人28号』が証明してくれたことですが、古典的な演出の良い部分と、今日的な演出の良い部分とを合わせて活かしつつ今のアニメを作るということに価値があるわけですから。夕焼けや陰影を多用するのも、既にこの作品の味として定着してる感がありますね。安定度高いです。


 そして次回予告では、うわ、なんか2クールで終わりそうなクライマックスっぷりだな……と思わせておいて、「また見てね」のカットでベローネ学園の夏服を初披露し、未来への展開も予感させるという、ニクい視聴者サービスになっていて、いや、とても楽しい。
 素晴らしかった。今後への期待が高まります。


 あと、今回注目すべきは「失敗したら慰めてあげる」発言に代表されるなぎさの男っぷりでしょうね。そりゃ女子にモテるわけですよと。
 更に余談ですが「聖子」というネーミング自体に「80年代」という時代に対する因縁深い引用を感じなくもなく。『燃えよドラゴン』のミラールームは70年代なんですが。